産業ガス業界

産業ガスとは

 産業ガスは鉄鋼、自動車、半導体、医療などの様々な分野で利用されており、その裾野は大変広いです。ガスと言えば、都市ガスやプロパンガス等の家庭で利用される可燃性ガスを思い浮かべる方も多いと思います。産業ガスとは、空気を原料として分離精製した酸素、窒素、アルゴン等が始まりです。近年では、特殊材料ガスと言われるシラン、アルシン、臭化水素等の取扱いに注意の必要なガスやネオン、クリプトン、キセノン等のレアガス、更には燃料自動車で利用される水素等も産業ガスとして使用されています。

酸素・窒素の製造と歴史

 国内において有名な産業ガスの会社と言えば、大陽日酸(日本酸素ホールディングス)やエア・ウォーターですが、日本国内で最初に酸素の製造をしたのは、外資企業である日本エア・リキードです。1900年代初期に製造されていたのは、酸素で、その用途は主に鉄鋼や医療でした。産業革命後、鉄鋼により世界的な発展が遂げられ、鉄を溶かす際に大量に用いられたのが、酸素です。酸素は空気中におよそ21%含まれており、高純度の酸素を製造するには、沸点の違いを利用して製造する空気分離装置が用いられています。低純度、低圧力、中容量までであれば、PSA(Pressure Swing Adsorption:圧力変動吸着)によっても製造可能で上記3社以外の会社でも製造販売をしています。
 窒素についても同様で空気分離装置、PSA等によって製造されています。最近では、半導体での窒素の利用が増えているため、酸素より窒素のガスプラントの建設が多く行われています。

産業ガス会社の合併の歴史

国内産業ガスメーカーランキング

 2022年度の産業ガスメーカー売上収益を元にランキングを作成しました。各会社の決算資料からわかる範囲で産業ガスの売上高のみを抽出しています。一般に公表されている企業からのデータを元に作成しており、会社によっては細かい所まで売上内容を公表しておりませんので、あくまで参考となります。
 国内のマーケットは鉄鋼業の低迷が続くものの、Rapidus、SONY、JASM等の半導体工場が新設されているため、人口減少が続く日本においても今後もマーケットの躍進が見込めます。ご存じのように、日本の労働賃金は他国に比べてあまり伸びておりません。1990年代からの伸び率が低いことから、海外の半導体企業が低労働コストである日本に注目しているという報道もあります。上記以外の企業においても日本への進出が進めば、今後の産業ガス業界に期待が持てそうです。

2022年度国内産業ガスメーカーランキング

産業ガスの平均年収ランキング

 産業ガスメーカーの2021~2022年の平均年収を下記に記載しています。産業ガスの会社は非上場の会社が多いため、非上場会社は外部サイトに記載の金額になります。そのため、実際の平均年収と異なりますので、ご注意ください。

※1 2022年有価証券報告書より
※2 2021年有価証券報告書より
※3 平均年齢、平均勤続年数について会社はHP等から、平均年収については外部サイトから

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